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New Trolls (ニュー・トロルス)
Information
イタリアのプログレッシブ・ロック・バンド、ニュー・トロルス。1966年結成で、もともとはビート・ポップス・バンドだったが、新しい音楽性を追求していく内にプログレ・バンドへと成長していった。オーケストラとの共演で代表的な作品「コンチェルト・グロッソ」シリーズがバンドの看板となった。
![]() ■メンバー |
Concerto Grosso I 1971年 1. 1°Tempo: Allegro |
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3rdアルバム。オーケストラとの共演による歴史的名盤。映画音楽家のルイス・エンリケス・バカロフがアレンジと指揮を担当し、バロック調クラシカル・ロックの名作となった。オーケストラと共演するバンドは既にいたが、その中でも完成度はニュー・トロルスが一番かもしれない。
バンドとオーケストラのバランス良い共存は流石バカロフ。しっかりと組み立てられた演奏は劇的で、何回聴いてもその衝撃は薄れない。ファズ・エフェクターのかかったヒステリックな音のギターさえも芸術的に感じる。ストリングスの美しさはメロディをより悲しくさせ、哀愁の洪水を生み出している。
5曲目はハードロックな面を押し出した大曲となっており、作品のコンセプトから外れているがこれもバンドのもうひとつの一面。アドリブ入れたドタバタな英国風ハードロックも好んで演奏していたようだが、コンセプトを重視しするリーダー格のヴィットリオの構想からズレているため、これがバンドの分裂のきっかけとなっていく。
![]() ■メンバー |
Searching For A Land 邦題「見知らぬ桃源郷の探索」1972年
1. Searching |
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4thアルバム。LPレコード盤は2枚組(CDは1枚)で、1枚目がスタジオ録音で2枚目はライヴ録音となっている。内容重視のヴィットリオと、ハードロック路線を進もうとしてたニコとの間に亀裂が生じ、スタジオ録音はヴィットリオ主導のニュー・トロルスらしい作品で、ライヴ録音は即興性高いハードロック路線な作品となっている。
スタジオ録音(1〜6曲目)はアコースティック楽器主体のシンフォニックで美しく、前作「コンチェルト・グロッソ」からの期待に答えた作品となった。オーケストラが無くても、より幻想的で深みが増してて素晴らしい。しかし、エレキギターが少ない分、「コンチェルト・グロッソ」ではあったインパクトや迫力が少し欠けているかもしれない。
ライヴ録音(7〜11曲目)は即興合戦で、ジャズ・ロック・バンド並みに弾きまくっている。別のバンドのような演奏だが、これもなかなか面白く非常に熱いライヴだ。ハードロックだけの部分もまたバンドの魅力であることが確認出来ると同時に、ここで一旦ニュー・トロルスは終わったとも感じる。
![]() ■メンバー |
UT 1972年
1. Studio |
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5thアルバム。準リーダー格のニコ・ディ・パーロが主導権を握ったため、ハードロック色が強まった。内容重視のヴィットリオと、ハードロック路線を押し進める他のメンバーと対立し、やがてバンドは分裂していった。
ヴィットリオは作曲に関わってないのと、ボーカルもとっていないため別のバンドを聴いてるかのようだ。制作している段階で既にニュー・トロルスでは無かったと言えるかもしれない。コンセプトは無いのでまとまりは無い分、楽曲の幅は広い。クオリティは流石に高いのだが、やはりそれまでのコンセプトを持った作品と比べるとちょっと物足りなさがある。普通のプログレ・バンドになってしまったのだ。
全体的にドタバタなハードロックが印象に残るが、ギターソロが即興だらけで好きな人にはいいかもしれないが、もっと聴かせるメロディが欲しい。ぐちゃぐちゃ過ぎて品が無いのだ。6曲目なんかはおもいっきりレッド・ツェッペリン的なハードロックだ。これはやり過ぎでは?
一番評価できる曲はラストの曲。ニュー・トロルスらしい哀愁のあるメロディのバラード曲だ。ピアノとシンセの音色濃いシンフォニックな名曲でメロディは美しくも悲しく、バンドのひとつの区切りとして相応しいかも。
分裂後はバンド名の使用権を巡って争いつつも、それぞれ素晴らしい作品を発表し、最終的に和解して名盤「コンチェルト・グロッソ N.2」を作り上げることになる。
![]() ■メンバー |
Atomic System 1973年 1. La Nuova Predica di Padre O'Brien |
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6thアルバム。バンド分裂後、ヴィットリオだけとなった作品。バンド名の使用権を巡って法廷で争っていたためバンド名が使えず「NT」となっている。ヴィットリオ以外は新たに集まったメンバーなのでヴィットリオのソロか別バンドといった感じなのだが、素晴らしい作品を作り上げている。
キーボードを主体とした見事なシンフォニック・ロックにジャズ・ロック要素も加えてニュー・トロルスの作品の中では一番プログレッシヴな作品となっている。キーボードができる者が3人もいるのでサウンドはかなり豪華だ。
曲ひとつひとつが素晴らしく全体的な完成度も高いので、個人的にヴィットリオに軍配を上げたい。分裂がなければ生まれなかった作品ですね。
![]() ■メンバー |
Concerto Grosso II 1976年 1. Tempo: Vivace |
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ニュー・トロルスの名作コンチェルト・グロッソの第2弾。第1弾と比べてインパクトはやや薄いかもしれない。ポップな面が多くて演奏はジャズ的な要素もあるが、泣きのメロディーはちゃんとありますね。
第1弾のような叙情的な雰囲気は薄いが、アイデアの豊富さではこの2作目のほうが多いと思うのでこれはこれですごく楽しめます。見事な演奏とコーラスはさすがなので何度聴いても飽きないでしょう。キーボードはシンセやエレピを使ってるので音がけっこう派手だ。
「Tempo: Andante」はこれぞコンチェルト・グロッソというような哀愁のある美しい曲。「Tempo: Moderato」はメロディーがちょっとマイク・オールドフィールドっぽいかな?。「Le Roi Soleil」の怒濤な演奏は何度聴いても鳥肌立ちます。コーラスがクイーンっぽくてギターもそれ寄りな感じです。
![]() ■メンバー |
Concerto Grosso Live 2002年 1. Allegro |
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オーケストラを入れてコンチェルトグロッソを再現したライブ・アルバム。ヴィットリオ名義で出しているが、実質この時点でのニュー・トロルスである。クラシック畑に転向していたマウリツィオは音楽監督とオーケストラの指揮も兼任。彼がいなかったら実現できなかったとヴィットリオは語っている。オリジナル・メンバーのギタリスト、ニコは事故によりギターが弾けなくなったため参加することができなかった。
他のメンバーを見てみると、ロベルト・ティランティはメタル・バンド、ラビリンスのボーカル兼ベーシストで、ニコの高域パートは彼がやってるかと思われる。アルフィオ・ヴィタンツァはイタリアのEL&Pと言われたラッテ・エ・ミエーレのドラマーだ。全員がボーカルができるため、あの厚いコーラスまで再現できているとこが素晴らしい。
コンチェルトグロッソの魅力のひとつであるストリングスの響きは、音の最小限の加工により生々しい音のままで聴けるのでオリジナルのスタジオ音源と違い新たな感動を得られる。コンチェルト・グロッソ以外の曲もやっており、特に日本盤ボーナストラックの「ドリームズ・アンド・ティアーズ」はコンチェルト・グロッソに匹敵する美しさで鳥肌が立った。ぜひ良いオーディオ環境で聴いて頂きたい。
![]() ■メンバー |
Concerto Grosso III 2007年 1. The Knowledge |
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クラシックとプログレシッブ・ハードロックとを融合したコンチェルト・グロッソ・シリーズ第3弾。「2」から30年以上経ち、ようやくできた作品はまた違った美しいメロディー満載の作品です。オーケストラは旧シリーズを越えるインパクトとまではいかないが、優しく包むような雰囲気は非常に心地良い。
メンバーにニコが復帰したが、事故によりギターが弾けなくなったという情報からキーボードに転向したのだろう。ベースのロベルトが抜けてあとは「コンチェルト・グロッソ・ライヴ」とほぼ同じメンバーだ。今回はバカロフの指揮が無いのは残念だが、しっかりと継承されたサウンドは満足いく出来です。
まず1曲目は「コンチェルト・グロッソ1」をオマージュしたような曲調でスタート。続く2曲目はこのバンドならではの厚いコーラスと哀愁メロディで、これぞ「コンチェルト・グロッソ」と言える曲である。タイトル曲の5曲目はタイトなバンド・サウンドが主体で緊張感があり、メロディも素晴らしく間違いなくこのアルバムの顔だ。11曲目はかなりぐっとくるバラード曲で、泣きと哀愁が素晴らしい。13曲目は1970年代風プログレッシヴ・ハード・ロックが楽しめる。
あれから30年ということでレコードからCDになり、ちょっと曲を詰め込み過ぎた感がある。しかし、どれも良い曲ばかりだ。新たに「コンチェルト・グロッソ」が出来るなら、今度は「3」以上に内容の濃いものになることを願う。
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Concert Grosso Trilogy Live (DVD) 2007年 [DVD] |
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2007年イタリアで行われた「コンチェルト・グロッソI、II、III」の全曲をオーケストラもついて完全演奏。あの感動のサウンドは今でも変わりなく、非常に泣けます。ニュー・トロルス・ファンだけでなく、イタリアン・ロック・ファンも必見の1枚になるでしょう。初回限定盤には同日のライブCD2枚組が付いています。
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